行政訴訟判決


公有水面埋立免許処分取消請求事件(71)

◆S51. 7.29 札幌地裁 昭和48(行ウ)8 公有水面埋立免許処分取消請求事件(71)◇

証人iの証言よれば、本件工事海域には、以前から藻場はなく、工事前に延べなわや刺し網による漁獲が若干行なわれていた程度で、漁場としての利用価値に乏しかつたことが認められる。また、前掲乙第八九号証の四、検証(第一、第二及び第四回)の結果によれば、本件埋立地附近の海面及び海岸一帯は、し尿処理場や工場及び鉄道護岸の存在などにより、自然環境として噴火湾沿岸の各地方と比べて格段に良好であるとはいえないし、築造された東・西両防波堤及び埋立地上には、特に景観や自然環境を損うような構築物が存在しないことが認められる。
以上に認定、判断したところの本件処分に至る経緯、本件埋立てによつて漁業に及ぼす影響の性質、範囲及び程度、伊達漁協と参加人との間に締結された伊達火発の建設に伴う漁業に対する影響の緩和、被害の防止及び漁業補償などに関する協定の内容、取水口外かく施設の存在が附近の景観や自然環境に与える影響、原告らの所属する伊達・有珠両漁協や市民の意見を代弁する伊達市議会の伊達火発の建設に対する態度などを勘案すれば、本件埋立てを公益に合致するものとした被告の判断には無理がなく、これが不合理であつて裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつたものとは到底いえない。
第四 結論
以上の次第で、本件埋立免許処分には、これを取り消すべき違法事由が存在しないから、その取消しを求める原告らの請求を失当として棄却することとし、本件埋立竣功認可処分の取消しを求める原告らの請求は、訴えの利益がなく不適法であるから、これを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九三条一項本文、九四条後段を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 安達 敬 佐々木一彦 古川行男)


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2011年10月:更新をしました。やっと涼しい秋になりました。
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